田んぼと大雨と流域治水
大雨の日は田んぼに水が入りすぎないよう、厳木川から水を引く水門を閉じ、用水路から田んぼへ水を送る堰板を外す。
これは、稲を食べてしまうジャンボタニシの活動を抑えるためにも、とても大切な作業です。
しかし横枕では、田んぼが川よりも低い場所にあるため、どれだけ対策をしても水がはけない。
水位が上がっても自由に排水できない、という現実があります。こういった地域ならではの苦悩もあります。
でも、そんな「低い田んぼ」には、もうひとつの大切な役割があります。
それが、「流域治水(りゅういきちすい)」。
流域治水とは、2020年7月の豪雨災害をきっかけに国土交通省が推進を強化した、水害に備える新しい考え方です。
従来の「川だけで守る治水」から、流域全体――山や森、畑や町、そして田んぼまでを含めて水を「貯める・遅らせる・流す・備える」ことで、洪水を防ごうという考え方です。
その中でも、私たちのように川よりも低い場所にある田んぼは、大雨のときに水を一時的に受け止める“天然のダム”として機能します。
普段は目立たないけれど、地域の安全を静かに支えている、大切なインフラのひとつなのです。
作物を育てるだけでなく、水を溜め、自然と社会の両方を支える田んぼ。
米づくりを始めてから、横枕の田んぼを守ってきた先輩農家の皆さんは本当にすごいなと感じています。
これからやってくる台風や猛暑を乗り越えて、自分で育てたお米を無事に収穫して食べてみたい。
きっと、いつもより美味しく感じるはず。
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